通訳と翻訳と日本の伝統文化(東京国際キルトフェスティバル)

少し前の話になるのですが、布と針と糸の祭典「東京国際キルトフェスティバル」に行ってきました。
キルト人口が減っているせいかイベントや雑誌などが年々縮小されていく中、この東京国際キルトフェスティバルは最大規模のキルトのイベントになっています。

私はかなり初期の頃からこのイベントに参加しているのですが、このイベントは「東京 国際キルトフェスティバル」といいながらも、海外からの出品・出展がある以外は、あまり国際性が感じられないなあとずっと思っていました。

ところが、今年初めて、国際的な香りを感じることができたので2つほど書き残しておこうと思います。

通訳の仕事に拍手!(南フランスの服飾文化ブースにて)

アルルの伝統衣装の蒐集家(のご家族)と、その美術館の館長、「アルルの女王」の4名を招き、アルルの伝統的な服飾や文化について語る・・というトークイベントがありました。

通訳を介して行われたのですが、これが期待していたよりもかなり良いものでした。

まず、「アルルの女王」ですが、アルル地方で3年に1度選ばれるのだそうです。アルル生まれであること、美しいこと、地元のプロバンス語が話せること等、様々な条件があり、筆記試験もあり、相当高い水準で選ばれるものだそうです。アルルの女性は子供の頃からこの「アルルの女王」を目指して成長するのだとか。
美人コンテストのようなミーハーなものではなくて、肩書としては市長と同じレベル、海外からの要人を迎えることも、アルルの紹介をしたり、とても重要な役割を担っているそうです。

アルルの女王が着ていたアルルの民族衣装は、こんな感じです。(最正装)

一見地味でシンプルにも見えるのですが、スカートは3枚重ね(中は華やかでかわいい色だった)、上着も複数枚重ね着をしています。
日本で言うと十二単のような感じだそうです。

綺麗にお化粧してきちんと着付けると、それだけでも数時間かかるとか。


・・・とまあ、こういった内容がフランス語で説明されるのですが、それを通訳の方が私たちに日本語で伝えてくれるわけです。
驚いたことに、この通訳の方、通訳の間一度もメモを取りませんでした。
一つ一つの説明がかなり長かったにもかかわらず。

私なんて日本語でさえも聞いたそばからどんどん忘れてしまうのに、あれだけ長い話をまとめて通訳していたのにはびっくりしました。目の前で通訳しているのを見たのは初めてだったのですが、通訳の方ってみなさんそういうものなのでしょうか?

もともと詳しい分野の通訳だったのかもしれませんし、そうでないとすれば、事前の下調べや勉強、当日の打ち合わせなどをしっかりやったからこそのこの仕事なのだろうなと思いました。

そうそう、トークが終わった後、どうしても聞いてみたいことがありました。
でも自分でフランス語で聞けるほどフランス語を覚えている自信もなく、通訳の方にお願いして質問していただきました。
イヤな顔1つせずに対応してくださったおかげでいろいろと面白いお話が聞けました。

さて、肝心の質問なのですが、

「服に「まち針」がたくさん打ったままになっているのですが、これは「普通」ですか?それとも、今日はイベントだから着崩れないようにとか、何か理由があるのでしょうか ?

見えるようにまち針が打たれているのは、「普通」だそうです。なんと、40本近くのまち針が打たれているそうです。(コルセットを着けているから刺さる心配はないとのこと。)

それにしても、このアルルの女王、本当に美しかったです。
顔だけではなくて、身のこなしや話し方すべてが。

しぐさや話し方、身のこなしは、一朝一夕に身につくものではなくて、親から子に受け継がれていくもの、小さな頃からつみ重ねていくものだ」と言っていたのがとても印象的でした。

ちらほら見かけた翻訳文

残念ながらすべてのブースではないのですが、海外や日本の有名なキルト作家さんのブースには、作家の紹介文、コンセプト、作品についてなどが英語・日本語対訳にて掲げられていました。

日本語訳も英訳もなかなか良くて、どんな方が訳しているんだろうと考えながら読めてとても楽しかったです。

手芸関係の翻訳、是非やってみたいものです。
どういうルートで翻訳のチャンスに巡り合えるのか、探ってみようかなあ。

Made in Japanにこだわった手芸用品

毎年定番のお店が並ぶ中、今年は特に気になったお店がありました。

それは、Cohanaという、 老舗の手芸メーカーが 日本各地の伝統工芸とコラボしてつくった、手芸用品のブランド品です。

選りすぐりの伝統工芸を利用した手芸用品なのでお値段はそれなりなのですが、どれも上品でかわいくて、1つのモノを長く大事に使いたい人にはおススメです。

Made in Japanをアピールしているせいもあり、立ち止まって製品を手に取っている外国人の姿も多く見られました。

日本の伝統工芸、是非頑張ってほしいものです。

私は、まげわっぱの裁縫箱(刺繍フープ付き)に一目ぼれしたのですが、それなりのお値段だったのでさすがに今回はあきらめました。


そうそう、肝心のキルトですが、こちらについてもいろいろと面白かったです。
手芸の域を超えて、これはもう芸術ですね。

キルトは、小さなピースをつなぎ合わせるという地道な努力の積み重ねにより、大作が完成します。
作家さんのいろいろな思いが詰まった毎日のコツコツが大きな作品になると思うと、見ていると本当に楽しいです。

ここ数年自分が作る時間はなかなか取れないけれど、もう少し時間に余裕が出たら少しずつ再開して大きな作品づくりに挑戦したいなと、今から楽しみでもあります。

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ランキングに参加しています。応援お願いいたします。