直前の名詞を修飾するwhen(形容詞節を導くwhen)~誤訳例~

本題に入る前にもう一つだけ、今回のwhenと同じ用法のafterとbeforeについても少しだけ書いておきたいと思います。

形容詞節を導くafterとbefore

afterとbeforeについても、同様の用法があります。

手持ちの辞書(PASORAMA)をざっと調べたところ、afterについては記載がなかったのですが、beforeについては ジーニアス英和大辞典のみ記載がありました。
([接続詞]の3つめの項目)

[形容詞節を導いて]・・・する前の

The year before they were married he often sent her flowers.
(結婚する前の年に彼は彼女によく花を送った。)

I was born in the year before World War II came to an end.
(私は第二次世界大戦の終戦の前の年に生れた。)

                         以下省略。

引用元: ジーニアス英和大辞典

文法書では、ロイヤル英文法p655に記載があります。

形容詞節を導くafter、before( p655 )

The year before they got married he sent her roses twice a day.
(彼らが結婚する前の年、彼は彼女に日に2回バラを送った。)

引用元: ロイヤル英文法改定新版

今回の誤訳について

さすがに課題文をそのまま載せることはできないので何か良い例文がないか探してみたところ、ちょうど良いサイトを見つけたので以下に引用させていただきました。(その文がafter/beforeの例文だったので、上でafter/beforeの説明を書いたのでした・・。)

ある通訳学校の学習掲示版からの引用で、生徒の質問に対する回答です。

課題文はこれ。

The country’s leading scientific academy today recommended stricter safety checks before new genetically modified foods are declared fit for human consumption.

引用元:http://www.hello.ac/bbs2/c-board.cgi?cmd=ntr;page=663;id=

この課題文に対する質問がこれ。

接続詞のbeforeやafterが形容詞節を導くことは理解できたのですが、第一文の before節を副詞節ととって、“~と宣言する前に・・・”と訳すことは誤りでしょう か。 また、本文のようにbeforeやafterが形容詞節となる場合、時を表す語以外の語句も 修飾するケースは多いのでしょうか。

引用元:http://www.hello.ac/bbs2/c-board.cgi?cmd=ntr;page=663;id=

質問に対する答えがこれ。

もしも、before 以下の節を副詞節ととりますと、動詞の recommended を修飾することになります。「遺伝子組み換え食品が消費するのに適していると宣言される前に勧告した」という意味になり、これでは何を言っているのか意味がわからなくなります。

before 以下の節が形容詞節でsafety checks を修飾していると考えますと、「遺伝子組み換え食品が消費するのに適していると宣言される前により厳しい安全チェックをすること」という意味になりしっくりいきます。従って、before に導かれる節は形容詞節ということができます。

before や after それに when に導かれる節が形容詞節になって時とは関係ない名詞を修飾する時は時々あります。特に被修飾語が動詞の派生名詞形である場合には、その派生名詞を修飾する形容詞節として機能し、「~する前に(後に/時に)動詞すること」と和訳するケースは時々見受けられます。

引用元:http://www.hello.ac/bbs2/c-board.cgi?cmd=ntr;page=663;id=

今回の誤訳は、これと同じパターンの文です。
ただ、上の文の場合はbefore節を副詞節として訳すと明らかにおかしな内容になってしまうのですが、課題の文は明らかにおかしい訳にはなってくれませんでした。その分野の知識があればおかしいことに気づいたのかもしれませんが、私には気づけませんでした・・。

大切なのは内容理解と知識

今回残念だったのは、「whenが直前の名詞にかかることがある」というのを知っていてもなお、誤訳をしてしまったことです。

名詞だけに係るはずのものを文全体にかけて訳してしまえば当然おかしな訳になるでしょうし、内容を理解できていれば、訳がおかしいことに気づくでしょう 。それに気づけなかったということは、内容をきちんと理解できていなかった(&知識もなかった)ということですね。

まとめ

when/before/after節が出てきた時に、副詞節として訳しても訳がしっくりこない場合は、形容詞節として訳してみましょう。

上で引用した回答の中で太字にしたところにもご注目。
派生名詞形でなくてもそのように訳す場合ももちろんありますが(今回の課題はそうだった)、そういう傾向がある・・と気を付けておくと良いと思います。

このタイプのwhen/before/afterについては、どういうときにそのような使い方ができるかといった内容の論文を書いている方もいたりして、いろいろ調べてみたらとても面白かったです。

長くなってしまった割にはイマイチまとまらなかったのですが、このお話はこれでおしまいです。

それではみなさん、良い週末を。