Google翻訳をどの程度使っていますか?

「翻訳する時に、Google翻訳をどの程度使っていますか?」

これは、少し前にある2名の方から受けた質問です。
(1人は翻訳を始めて日が浅い人、1人は翻訳の世界とは無縁の人。)

私の回答は、以下の通りです。

「自分で翻訳する時には、Google翻訳は一切使いません。」

この答えを聞いて、相手が意外な顔をしていたのが面白かったので、今回はこのことについて書いてみようと思います。

翻訳時にGoogle翻訳は必要?

本職の翻訳(英訳)をする時にも、講座の和訳をする時も、とにかく自分で翻訳をする時には基本はGoogle翻訳を使いません。(「基本は」と書いたことの理由は、後ほど書きます。)

Google翻訳の訳に頼らなければ翻訳ができないのであれば、自分はGoogle翻訳よりもレベルが低いということ。報酬をいただく以上、Google翻訳以上の質が出せないのであれば、翻訳者として仕事を受けるべきではないと思っています。

単価が安いからGoogle翻訳の手直し程度でいいだろう‥という考えもあるかもしれません。
発注側と翻訳側がお互い承知の上でそれで幸せになれるなら、そういう世界もアリなのかもしれませんが、私は「安いんだから適当でいいや」という翻訳はやりたくないです。

翻訳者としてどう生き残っていくかをみんなが模索している中、Google翻訳に頼らないとできないような翻訳をしていたら、確実に生き残れない(=最初から負けを認めている)ようで、意地でも使いたくないくらいの気持ちでいます。

それ以前の問題として、情報漏洩という観点から考えると、使うのはまずいのではないかと思うのですが・・。

どんな時にGoogle翻訳を使うか?

最初に「基本はGoogle翻訳を使いません」と書きましたが、Google翻訳にお世話になることも、時々ですがあります。

でも、自分で翻訳ができないからだとか、楽をしようだとか、自分の翻訳力の不足を補うためではありません。参考程度・・でしょうか。

①自分の翻訳の確認のため

文章が複雑化した時に「自分の意図通りに読み手が受け取ってくれるだろうか?」と確認するために、自分の訳をGoogle訳に入れて出てきた和訳を見ることがあります。

・・というのも、私の訳を読む社員の中には、Google翻訳や翻訳ソフトにかけて内容を確認する人がいるから。
この結果が良くわからない訳になって変なツッコミが入って面倒だったことがあるので、あまりにおかしくなりそうなときは訳自体を考え直します。
でもまあ、これも時々しかやらないかな。

あ、このときも、翻訳対象の機器や性能に関わるような文章は絶対に入れないように気を付けていますよ、もちろん。

②Googleの訳の訳ミスを見て、ほくそ笑む

Google訳を見て誤訳を見つけてほくそ笑んでみたり、思っていたよりもまともな訳が出てきてGoogle翻訳の進化に感心してみたりして、楽しむことがあります。

これは本当に暇なときしかやりませんが・・。


意外と仕事の翻訳にGoogle翻訳を活用している人も多いのかなと思ってしまうのは、チェックの仕事の際にGoogle翻訳を使ったと思われる文章を見つけてしまうことがたびたびあるからです。

なんだか急に浮いたような文章がでてきたり、全体的に妙な訳だったりして、原文をGoogle翻訳にかけてみると、ドンピシャでその訳どおりの文章になっていた・・なんてことも過去に何度かありました。

翻訳会社のトライアルや翻訳の課題を添削する方は、Google翻訳の訳を使っていないかどうかも確認しているのではないかな、と思ったりするのですが、どうでしょうね?

仰天した提案

そうそう、Google翻訳で思い出したのですが、1つだけものすごく驚いたことがあります。

少し前に、1人では対応しきれないくらいの量の翻訳が出て、人を増やそう・・ということが議論されたという記事を書いたことがありますが、その際に、上の方からこんな質問をされたれて仰天したことがあります。

Goole翻訳や翻訳ソフトを使って(翻訳のわからない人に)下訳を準備させて、(未来堂さんが)その下訳を手直しするだけという状態にしておけば、楽になるかなぁ?

人を増やすより、その方が私(未来堂)が楽ならそうするよ・・という配慮あっての言葉だったようですが、

絶対自分で翻訳した方が早いし訳としてもいいはずなので、下訳準備はやめてください。翻訳できる人を増やした方がいいです。」とキッパリ答えました。

その後小耳にはさんだところによると、どうも実験的にGoogle翻訳で時間の空いたスタッフさんに頼んである文書を英訳している・・らしいのですが、その英訳チェックなんてものが、自分のところに回ってこないことを願っています・・・・。


まあ、いろいろあった出来事だけ書いてしまうととんでもないことのように思えてしまうのですが、少しでも翻訳を良くしようと動いている人や、世の中の機械翻訳の成長ぶりに興味を持っている人、その流れに乗れるように(確実に乗れていないのですが)情報収集をしようとしている人が社内にもいるのは確か。

一足飛びにいろいろなことを改善していくのは無理だと思いますが、おかしな方向へ行かないように、遠回りをしないように、そして自分も面白い話には参加できたらいいなと密かに思っています。