翻訳しやすい原稿データにするための改善案について少々。

先週から取説の新規翻訳が始まりました。

この職場に入った時には、別の人が翻訳したもののチェックから入り、その後は改版や追加、関連の技術文書などの翻訳がメインだったので、新規で取説を1冊丸ごと翻訳するのは今回が初めてになります。

ベースになる取説の英語版は存在するのですが、とっても評判が悪かったといういわくつき(?)のモノだそうなので、「本当に参考程度でよい、とにかく好きなように訳してOK」とのこと。

何てラフな依頼なのでしょう!(笑)

数か月に渡る作業となりますが、しばらくとても楽しく翻訳を進められそうです。


Tradosなどのツールは使わずに、Wordの和文にベタ打ちで上書きタイプして翻訳していくのですが、かつて制作側にいて取説LOVEだった身としては、取説には強いこだわり(愛情と言ってもよいかも)があります。

そして、Tradosがなくても、使ったのと同じくらい用語や表現、翻訳スタイルを統一できる自信もあります。(まあ、今回の原稿だと、Tradosを使う必要はありませんし、そもそもTraodos自体もないのですけれどね。)

あ、話がそれてしまいました。

さて、先週翻訳を始めてみて、データの作りについていろいろ気になる点がありました。

とはいうものの、私の仕事は翻訳なので、原稿データの出来に文句をいっても仕方ないのですが、「翻訳しやすい和文原稿データ」という観点では、リストを作って後から改善提案をしてみようかなと思っています。

だって、これを改善してもらえると、翻訳を担当する人がとても楽になるはずだから。

今回、翻訳データのレイアウト調整に意外と時間かかってしまい、自分が見積もっていた作業時間よりも、少しオーバーしてしまっています。

レイアウト調整も翻訳作業に含まれるのか?!という問題はあると思いますが、少なくとも今回は、やっておくのが親切だと思うので、時間が許される範囲で調整もするつもりです。


細かいことを言うとキリがないのですが、翻訳しやすい原稿データとしての改善案についてまず挙げるとしたら、以下の5点になるでしょうか。
あ、これは取説に関する原稿について(特にwordデータについての話になります。)

和文はページの7割くらいにおさめておく。

英訳すると文字数が文字が増えるので、元の和文がページにぎゅうぎゅうに詰め込まれていると、英文があふれてしまいます。
スタイルの設定を変更して一括して文字ptを下げるという方法もありますが、そもそもスタイルが適用されていないデータだったりすると、ちょっと面倒になりますよね。

ここからさらに多言語展開される可能性があるのなら、英文のさらに1.3~1.5倍程度長くなることが予想されます。各国語に翻訳される予定があるのかどうかも考えて、少しスカスカくらいなレイアウトにおさめておくのが良いのではないかと思います。

テキストボックスは大きめに広げておく。

それぞれ手動で広げていけばよいのですが、原稿の時点でテキストが長くなることを予想して最初からテキストボックスを大きくしておいてもらえると、かなり手間が省けます。

数が多ければその分時間がかかりますからね。
イラストと一緒にロックされていると、いったんロックを解除しないとテキストボックスの大きさが変更できず、とても面倒です。(次項目参照)

イラストとキャプションをまとめてグループ化しない。

たくさんのバラバラのパーツを含むイラストと、キャプションのテキストボックスを一緒にグループ化するのはおススメできません。

まずはバラバラしたイラストだけをひとまとめにしてグループ化、テキストボックスはテキストボックスだけでグループ化、イラストグループとテキストボックスグループをグループ化しておいてくれると、翻訳の際の作業が大幅に楽になります。

テキストボックスを少しだけ広げるだけにグループ化を解除しなくてはならず、解除したら無数のパーツが一斉にグループ解除されてしまう、というパターンは、もうそれはそれは面倒です・・。

タブぞろえを大量スペースでごまかさない、変な改行を入れない。

見た目を揃えるために、スペースやスペースが大量挿入されているテキストがあると、ちょっぴり面倒だなと思ってしまいます。

テキストが途中でスペースやタブにより分断されてしまうのはよくないので、正しく設定したいところです。(多言語翻訳が後に続く場合、誤訳の原因になったりしますしね・・。)

私は、原稿はともかく、訳文では設定を変えて綺麗にタブぞろえしてしまいます。
途中の大量スペース、大量タブは気持ち悪くて、わざわざそれを翻訳で再現する必要はないと思うからです。(レイアウトをいじるなという指示がでているときはべつです、もちろん。)

副業のチェックのお仕事のときでも、原稿データでも正しく設定されていないものを見かける機会がかなりありましたし、元データがPDFやスキャンだったりした場合の翻訳テキストでも、大量スペース、大量タブでテキストが分断されているのをよく目にします。

インデント設定、ぶら下げ、タブの設定の方法は、意外と定着していないものなのかな、と実はちょっと新鮮でもありました。(ついでにいうなら、通常のリターンでの改行と、シフトリターンの違いがあることも意外と広く知られていない?)

索引を手打ちでつくらないで自動生成機能を使う。

今回、数ページにわたる索引が、何と手打ちで作られているんですよね・・。

ただ、前モデルではどうやら自動生成をしていたらしく、ところどころに索引タグが中途半端に残っています。

今回の原稿作成者に質問してみたところ、「自動生成できるんですか?!手動でつくりました!」とのことだったので、英文はどうしようか悩み中です。

手打ちでつくるくらいなら、自分で自動生成しちゃおうかなとも思ってしまいます。
(あとでタグを検索して原稿側に追加することも可能ですしね・・・)

レイアウトが完璧に原稿と同じになればよいのですが、そうでない場合ページ数の把握も大変ですし(確認も)、項目をアルファベット順に手動で並べ直すのは面倒ですよね。

ただ、これは勝手にやるのもどうかと思うし、時間に余裕があればのことなので、ひとまず様子を見て相談してみるつもりです。


以上、少し挙げただけでもこれだけあります。

まだまだあるのですが、そのうちのいくつかだけでも今後改善されたらいいですよね。

今後、この会社が翻訳会社へ(または翻訳者へ)翻訳を依頼する際に、どうしたら余計な負担をかけさせずに翻訳に専念してもらえるのか、あとで自分たちが苦労せずに済むデータを入手できるのか、参考になることもあるはず。

せっかくご縁がってこの会社でお仕事をいただけているので、簡単にできる提案があれば、提案してみようと思います。それが反映されるかどうかは、別として・・。