上位互換・下位互換・後方互換・前方互換①

機械やソフトウェアの文書を読んでいると、「上位互換」、「下位互換」、「前方互換」、「後方互換」という用語をよく目にします。

この用語って、とてもわかりづらくないですか?

調べれば調べるほど、訳が分からなくなり、かなり混乱しました。
これだ!という説明が定着しておらず、いまだに混乱が続いている、なかなか珍しい用語のようです。

先に結論から書いてしまうと、この用語が出てきた時には、用語そのものにあまりとらわれずに、どういう意味で使われているかよく考えないといけないと思います。


さて、この言葉が良くわからないと思っているのは私だけではないようで、いろいろなサイトを見ても説明はバラバラ、辞書やIT用語辞典のようなものでさえもよくわからない説明がされていたり、ものによって逆の意味で説明されていたりして、一体どれが正しいのか、全然わかりません。

また、各サイトでは、各用語のイメージをつかむために例が挙げられているのですが、どの説明を見てもソフトとハードが一緒に混じっていて、なんだかスッキリしません。
ソフトとハードは混ぜて説明しない方が良い気もしたのですが、書いているうちに自分でもよくわからなくなってきました。

そういうわけで、混乱してもやもやした状態がなんだかとても気持ち悪いので、自分の頭の整理のためにも、いろいろ調べたことをまとめてみました。それぞれの用語説明に加え、ソフトとハードに分けて例を挙げてみました。

長くなるので2回に分けて書いてみたいと思います。

定義

まず今回は、「上位互換」、「下位互換」、「前方互換」、「後方互換」という用語の定義からまとめてと思います。

これが絶対正しいとは言い切れないのですが、自分の中では一番スッキリいく感じがします。

上位互換

<ハード>
機能・性能・グレードが『上位』の機種が『下位』の機種が持つ機能や規格を扱えること。
⇒DVDドライブでCDが読み込める。

<ソフト>

『上位』のバージョンで『下位』バージョンのデータなどを扱えること。
⇒Adobe Photoshop CS(上位)はAdobe Photoshop Elements(下位)で作成したデータを読み込める。

下位互換

「上位互換」の逆。

<ハード>
機能・性能・グレードが『下位』の機種が『上位』の機種が持つ機能や規格を扱えること。
⇒白黒テレビでカラーテレビの放送を見られる。

<ソフト>
『下位』のバージョンで『上位』バージョンのデータなどを扱えること。
⇒廉価版のソフトウェア製品(下位)が、フル機能版(上位)と同じデータ形式を扱ったり、同等の機能を使う(Windows 7 Home Premium EditionとWindows 7 Professional Edition)

「上位互換」と「下位互換」に近い言葉として「後方互換」と「前方互換」という用語があります。

後方互換

<ハード>
新しい(後方=後から出た)システムが古い(前方=先に出た)システムのデータなどを使用できること。
⇒WiiU(後方)でWii(前方)のゲームソフトが使える。

<ソフト>
新しい製品(後方)が、過去の製品(前方)の規格を扱えること。
⇒あるアプリのVer2.0が同じアプリのVer.1.0のデータを扱える。

前方互換

後方互換の逆。

<ハード>
古い(前方=前に出た)システムが、新しい(後方=後から出た)システムのデータなどを使用できること。
⇒古いWebブラウザーで、新しい要素を用いたHTMLを閲覧できる。

<ソフト>
古い製品(前方)が、新しい(後方)の製品の規格を扱えること。
⇒Excel2003(前方)でExcel2010(後方)で作成した資料を使用、編集することができる。

「上位互換・下位互換」と「後方互換・前方互換」の違い

では、「上位互換・下位互換」と「後方互換・前方互換」の使い分けはどのようにしているのか?
上位互換・下位互換
同時期に発売されたグレードの違う製品やサービスなどに対して使われる言葉
後方互換・前方互換
同一製品で時系列が異なる製品やサービスなどに対して使われる言葉

要するに、製品を「性能で見る」か、「新旧の時系列で見るか」の違いといったところでしょうか。

そして、両方から見れば、モノによっては、「上位互換」でもあり「後方互換」でもあるとか、「下位互換」でもあり「前方互換」でもある・・といった場合もあることになります。

例:S-VHSとVHS

性能で見ると、

S-VHSは、従来のVHSの持つ全ての録画再生の機能を持ち、更に高画質の録画機能を搭載しているので、S-VHSはVHSの「上位互換機」であり、

時系列でみると、

S-VHSは、後から出た(後方)ものであり、先に出た(前方)VHSの規格を扱える・・という意味で、VHSの「後方互換」でもあるといえる・・ということになります。

まずは、こんな感じでしょうか?

予告

続きは後日!

まとめるのに時間がかかりそうなので、少しだけ日が空くかもしれませんが、以下の内容について書いてみようと思います。

  • 混乱状態なのはなぜ?
  • 実際の案件のお話
  • 翻訳はどうする?
  • 結論
  • 参考にしたサイト

それではまた!