2016年翻訳祭⑨ 感想(6)

情報は新鮮さが命。

翻訳祭が終わってからもう一ヵ月が経つという時期になり、ようやく最後の記事を書くことになるとはいけませんね・・。

最後の記事は、翻訳祭に参加した、私自身の感想です。

翻訳祭の存在を知ったのは、去年のことで、面白そうだなと思いつつ、横目で見ているだけで終わってしまいました。
最近まで、翻訳祭の位置付けを「翻訳者から良い翻訳を入手することを目的とした、翻訳者への情報提供の場」と捉えていました。
つまり、主役は翻訳会社やメーカーで、満足できる翻訳をしてもらうため、翻訳者に知っておいて欲しい情報を流す・・的な感じでしょうか。

今年になってからブログとtwitterを始めたのですが、翻訳祭が近づくにつれ、いろいろな情報が流れてくるようになりました。
それを見ると、今年はなんだか違うらしい。

主役はあくまでも「翻訳者」。

翻訳者はどうしても翻訳会社やメーカーの都合に振り回されがちで、「よい翻訳者=都合よく動いてくれる翻訳者」になっている側面も否定できず、つい下に見られがち。

でも、翻訳者いてこその翻訳業界ということで、翻訳者にスポットライトがあてられたのは素晴らしいなぁと、拍手をしていました。
(でも、もともと翻訳祭の主役を翻訳会社やメーカー、ツール会社だと思っていたあたり、私自身も翻訳者を下に見ていたということでしょうか・・・)

そして迎えた当日。
会場に着くまではそんなことはすっかり忘れてしまっていたのですが、朝一番で思い出させられました。

というのも・・
当日張り切りすぎて早く到着してしまったため、受付付近の壁際で待っていたのですが、8:30過ぎに、ボランティアの方への説明が始まりました。

たしか、理事の古谷さんがお話をなさったのだったと思いますが、そのお話の中で

今年は例年の倍以上の翻訳者が参加している、
翻訳者あってこその翻訳、しっかりとご案内するように

・・などなど、とにかく、この翻訳祭の主役は翻訳者なんだということを、強調されてお話をされていました。

まるで翻訳祭の開会宣言のようで、たまたまその場に居合わせただけだったのですが、身が引き締まる思いで聞かせていただきました。(本当はもっといろいろお話されていたのですが、日が経ったためかなり不正確なものになってしまいましたが、とても印象に残りました。)

実川さんのセッションの中でもお話があったと思いますが(「翻訳というおしごと」の中だったかな?)、翻訳者が情報を共有していくことが翻訳の未来を切り拓くカギになるのではないか・・という言葉がありましたが、翻訳者にスポットライトを当てられた、そして共有すべき情報を得られた今回の翻訳祭は、とても素晴らしく、事前の予告でも言われていた通り「特別」な翻訳祭だったなと思いました。
そして、そんな翻訳祭に初参加できて、良かったと思います。

来年はどんな翻訳祭になるのか、今からとても楽しみです。


些細なことなのですが、一つ、とても驚いたことがあります。

それは、矢能千秋さんが、私の名前を憶えていてくださったこと。

「セッション3」の部屋に入るときに入口でレジュメを配っていらして、その際に、「あら、〇〇さん(←私の苗字)」と言ってくださったのが、何だかとても嬉しかったです。

私は2014年の10月から翻訳を始めましたが、しばらくは黙々と1人で仕事・勉強をしていて、1年を過ぎた頃にようやく「フリーランスの翻訳者になりたい」と考えるようになりました。

そして、2016年に入ってすぐに、少し外の世界(?)を見てみようと思って見つけた最初の翻訳関係のイベントが、矢能千秋さんのセミナーでした。(その時の記事はこちら→

実はこの時、いただいた名刺に書かれていたメールに、思い切ってメールしたところ、お返事をいただけたり、その後、ブログにもコメントをいただいたり、Facebookでもお友達に加えていただいたりしたので、私の名前が目に触れる機会はあったのかもしれませんが、実際にお声をかけてくださるとは思わなかったので、正直驚きました。

様々な翻訳関係のイベントやスクール、ブログや勉強会を主催なさっているベテランの翻訳者の方々は、プロの翻訳者を目指す人にとっては憧れの存在で、そういう方々から発信される情報はとても貴重なものですし、発信する側が、そういう情報を必要とする多数の人にまで目を向けてくださっているのは、すごいことだなと思いました。

「翻訳者が情報を共有していくことが翻訳の未来を切り拓くカギになる」とはいったものの、1人黙々やっていらっしゃる翻訳者もいらっしゃるでしょうし、新人翻訳者や翻訳者を目指す方にとっては、「共有する」というより「提供してもらう」方がどうしても多くなりがちです。

でも、新人ならではの悩みや問題もたくさんあるはずなので、そこを思い切って聞いてみる、書いてみる、など、情報収集に乗り出し、他の人はどうなのか、実はおかしいことなのではないかと、すこしでも状況を改善できる可能性が広がるなだと思いました。

初参加の翻訳祭から、今でもまだ消化しきれていないほどのたくさんのことを得たように思います。

感想といいつつ、まだかけていないこともあるので、また書けることがあったら、後からでも何か書いてみようと思います。

*この記事は2016年12月27日の記事を再編集して掲載したものです。